C.I.S News

月刊CENTURY 2020年3月号に掲載されました。

~地域を育む人と企業~ 特集で掲載された記事です

保険のコンサルタントとして、企業分野・家庭分野にてお客様にマッチした保険を提案する『シー・アイ・エス』。保険鑑定人を抱え、お客様の万一の時にも迅速な対応ができる陣容を整えるなど、顧客本位の姿勢が光る保険代理店だ。
布川 敏和氏が訪問し、同社を率いる陣内社長にお話を伺った。

─まずは、『シー・アイ・エス』さんの沿革と事業内容からお聞かせ下さい。

当社は1987年創業の保険代理店です。様々な保険のコンサルタントとして、企業分野から家庭分野までお客様にマッチした保険をご提案。現代社会に存在する複雑なリスクを総合的に分析し、適切かつ合理的な保険設計をいたします。私は2018年に先代である父より事業を引き継ぎ、多くの方々にご助力いただいて、現在に至ります。

─陣内社長は早くから事業継承を考えておられたのですか。

いいえ。私は自身に親しい仕事だったことから学業修了後より保険業に就いたものの、他所の外資系の損害保険会社に勤めており、以後もサラリーマンとしてキャリアを重ねていく心づもりだったのです。それが家業を継ぐことになったのは、父が65歳の時に心筋梗塞で倒れてしまったことがきっかけでした。なんとか一命はとりとめたものの、家族があってこそ、仕事もできるもの。「もっと家族を中心に考えていかなければならない」と痛感した私はそちらを退社し、2017年4月に当社に入りました。ところが、その4月末に父の癌が発覚。闘病の末、2018年5月に亡くなりました。ですから父と一緒に仕事をした、という実感はほとんどなかったんです。

─それは残念でしたね…。その後、事業継承されるのは大変だったのでは?

前職では様々な価値観や考え方を持つ経営者の方々と出会うことができ、経験を積ませていただいていました。ですから保険の知識そのものへの不安はなかったんです。ただ、当社の社員にとって、私はいきなり入ってきたポッと出の先代の息子であり、全員にとって年下の若輩者なので、良く思われないのではないか、という不安はありましたね。しかし、社員たちは一人ひとりが「先代の遺志を継いで会社を守り立てていかなければ」との使命感を持っており、私を力強く支えてくれました。そして、お客様や取引先の方々も。私が至らないところも多々あったかと思いますが、周囲の方々がカバーして下さったのです。

─支えたいと思える魅力が社長にあったのでしょうね。皆さんの支持は、社長にとって大きな力になったのでは?

ええ。「日頃から助けてもらっているからこそ、自分が一番努力して報いていかなければ」と励むことができました。そうして皆が支え合って頑張れることが、当社の強みの一つなのではと思います。

─社長の代になって、ご自身のカラーを加えようと考えている部分はありますか。

先代は何かあった時にはすぐ駆けつけるなど、既存のお客様との人間関係を何より大事にしてきました。私はそうした長所を踏襲しつつ、初めてのお客様にも明確に良さを分かっていただけるサービスを、と考えています。具体的には、当社は保険鑑定人を採用しているんですよ。

─ほう。保険鑑定人ですか。

ええ。たとえば火災、台風、自然災害、震災など、近年は日本各地が災害に見舞われています。そういった災害の時に、保険会社は現地調査のために鑑定人を依頼するんです。ただ、鑑定人のスケジュールを押さえるのは大変で、レポートの作成までに数週間かかるのが常。その点、自社に鑑定人がいれば、迅速にレポートを作成できるんです。先々月に火災事故があった際は、2営業日でレポート作成を完了させることができました。

─全然スピード感が違うんですね。それだけ迅速な対応ができれば、お客様も安心感があることと思います。

保険は万一の事態の時にお金を出すという仕組みとして有意義ですが、お客様の生活をお守りするということを考えると、我々が保険金を支払うことのみに囚われていてはいけないんですよね。問題なのは、皆様が困った時、私たちがいかにその不安を払拭し、生活を守る上でお役に立てるか。そうした点を大事にしていかなければならないと考えています。

─ご立派なお考えです。社長はご家族のことがあったから、尚更お客様を大事にできるのではないでしょうか。

そうですね。使命感もありますが、それ以上に社員やそのご家族、そしてお客様を守るということに、私は最高の生き甲斐を感じます。結局人は一人では生きていけないものですから、これからも周囲の方一人ひとりを大切にして生きていきたい。そして皆の幸せに貢献していくことができれば、これ以上の喜びはありません。