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ネットでの誹謗中傷の対策

インターネットの普及に伴い社会問題となっているのが、ネットによる誹謗中傷です。

最近においても誹謗中傷により芸能人が自殺に追い込まれるなどしています。

今回の記事では、ネットでの誹謗中傷の対策と訴訟を起こす際に必要な手順について解説したいと思います。

ネット被害相談件数

総務省が運営する違法・有害情報相談センターに寄せられたネットに関数相談件数は、受付を開始した平成22年から令和1年の間で約4倍もの相談件数が増加しています。

誹謗中傷する人の特徴

年々増加している誹謗中傷ですが、誹謗中傷を行う人に見られる特徴についてみていきましょう。

嫉妬心が強い

人間は誰しも理想や欲望を持っています。

自分が持っていない物や手にしていない事を他人が手に入れていると「なんであいつが」というような他人への嫉妬から、誹謗中傷が生まれてしまうこともあります。

承認欲求が強い

Twitterやヤフーコメントなどでいいねを貰うことで自分の承認欲求を満たしたいという人が多い中で、自分が優れているということを示すことで承認欲求を満たしている人もいます。

人目に触れるサービスを利用して、わざわざ反論・指摘と共に誹謗中傷してくる人は、少なからず「自分の優位性をユーザーたちに示したい」という気持ちがあるのではないかと考えられます。

誹謗中傷の対策

個人だけでなく会社も誹謗中傷の対象となっている現代ですが、ここからは誹謗中傷を受けた際にとるべき行動についてご紹介します。

誹謗中傷を無視する

誹謗中傷の内容を冷静に判断し、実害や影響がそれほど大きくないと判断できるものについては無視する事で反論による相手のヒートアップを防ぐ事が可能です。SNSのブロック機能を活用すれば自分の目に触れることなく。相手を遮断することが可能です。

投稿削除を依頼する

インターネットに書き込まれた誹謗中傷に反応・反論するのは逆効果になる場合が少なくありません。しかし、書き込み内容を看過できないといった場合には、サイト管理者に誹謗中傷の削除依頼を要請できます。

訴訟の手続き

上記のような対策を取っても全く効果がない場合は、訴訟を起こすことを検討してみましょう。
ここからは、訴訟の手続きに必要な手順等について解説していきます。

プロパイダ責任制限法

2021年4月21日、国会において、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)が成立しました。これは、SNS等インターネットを利用した偽名や匿名による誹謗中傷が増加する中で、他者の名誉・信用等を毀損する書込みに関する発信者情報の開示請求について、迅速かつ適正な解決を図り、発信者情報の開示請求に係る新たな手続を創設すること等を目的とするものです。

この法案により、今までより個人の特定するスピードが上がり訴訟を起こすことが容易になります。

訴訟を行う際に必要な証拠

ネットで誹謗中傷を受けた場合に、書き込みをした相手を訴えるために必要な証拠などについて解説します。

誹謗中傷の証拠を保存する

誹謗中傷を受けた場合は必ずその証拠を抑えておく必要があります。

・プリントアウトして紙として保管。
・スクリーンショットして画像で保存。

サイトによっては、一定期間がすぎると投稿が削除され無くなってしまうケースがあるため、その場で証拠を集めておくことが重要です。

相手の特定

証拠が集まっても相手が特定できなければ裁判を行う事ができないため注意が必要です。

投稿者のIPアドレスを知るためには、サイト運営者に対して「発信者情報開示請求」という手続きをとらなくてはなりませんが、発信者のプライバシーの観点から、発信者の身元特定につながるIPアドレスを”任意で”開示してくれる可能性あ低いようです。

そのような場合は「発信者情報開示の仮処分命令の申し立て」という裁判所を介した手続きで情報開示を依頼しましょう。認められればIPアドレスをサイト運営者から開示してもらうことができます

1人で悩まず相談を

誹謗中傷を行う人は、普段の生活や不満やコンプレックスを抱えており、ストレスのはけ口として他人を攻撃している場合がほとんどです。

このような被害を受けた場合、相手にしても解決しないどころか相手を増長させることもあります。相手にしないで無視することを第一に考え、苦しい気持ちは抱え込まず、周囲の人に相談するようにしてください。

それでも解決しない場合は、弁護士など専門家に相談して情報開示などの法的手段をとるようにしましょう。

https://ihaho.jp/

違法・有害情報相談センターは、インターネット上の違法・有害情報に対し適切な対応を促進する目的で、関係者等からの相談を受け付け、対応に関するアドバイスや関連の情報提供等を行なう相談窓口です。(総務省支援事業)